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教育課程特例校の指定につきまして(ご報告)

  • 2023.05.01
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1.本校の教育活動

本校は1980年より、帰国生徒の受入校として、教育活動を行ってまいりました。開校当初より全学年に渡って、帰国生徒と国内一般生徒が一緒に学ぶ環境を提供しています。そのことで、帰国生徒、国内一般生徒の双方において、多様な価値観の存在する教室での深い学びを実現しています。
現在、中高あわせて、世界70ヵ国以上から、日本人学校はもちろん、現地校やインターナショナル校での学びを経てきた600人以上の帰国生徒が在籍しています。

2.授業の困難さのサポート体制

そのような本校にあって、多様な経歴の生徒がともに学ぶ環境は、本校の目指す教育の生命線であるのと同時に、授業の困難さを招く1つの要因ともなっています。
多様な経歴を持つ生徒がいることで、過去の学びの内容(学習単元)が一様ではないこともそうですが、現地校やインターナショナル校での学びを経験してきた生徒の中には、英語力については秀でた力があるものの日本語力において当該学年の学びを深めるには十分でない生徒が一定数います。
そのような生徒の学びをサポートするために、本校では宗教・国語・数学・社会(地歴・公民)・理科・英語・情報の各科目において、必要に応じて習熟度別の授業クラスを設定しています。

3.「教育課程特例校」の指定

2022年度の高校1年生から段階実施となりました高等学校新指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」を推し進めることがうたわれています。本校では、以前よりアクティブ・ラーニングを取り入れた学習を各教科で実践して参りました。しかしいくつかの授業では、より高度で実りのあるものにするために、十分に成熟した日本語力が不可欠となります。
帰国して日の浅い高校1年生の段階では、なかなか自己表現としての日本語を十分に扱えない生徒も多いのが実状です。
このような現状に鑑み、今回、本校では文部科学省の「教育課程特例校」に申請し、2023年度入学生から、指導要領で高校1年生および高校2年生で学習することとなっている「保健」の授業を高校2年生および高校3年生で履修することを認められました。これによって日本語力不足による障壁が軽減され、「保健」の学習を受身ではなく「主体的・対話的」に展開し、高校3年次においては探究的な学びの在り方を実現する予定です。

2023年4月28日