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SSR(高校2年生)ワーク:なぜなぜ分析の練習

  • 2024.01.30
  • 授業

3学期に入って1回目の講座です。今日の講座は、冬休み中に先生や生徒が訪れたまちで見たこと、感じたことをみんなで共有することから始まりました。コペンハーゲンにある両親宅に帰省した生徒、普段は海外に住む両親の帰国に合わせて東京方面を訪れた生徒、地元の関西でゆっくり過ごした生徒。様々なバックグラウンドをもつ同志社国際高校生ならではのやりとりを聞くことができました。

 

 

 

 

今日の講座

● 冬休み中に訪れたまちの話

● ワーク1 なぜなぜ分析の練習

● ワーク2 問いを作る練習

● ワーク3 問いを深める

 

今日は「なぜなぜ分析」の練習と、問いを作る練習に取り組み、個人レポートの探究テーマを検討するためのヒントを得ます。

 

● ワーク1 なぜなぜ分析の練習

 

なぜなぜ分析とは?

なぜなぜ分析はトヨタ自動車の業務改善の中で開発された手法です。問題の表面的な部分を見て対症療法をするのではなく、問題の原因を深堀りして対処することで、根本的な改善を目指すものです。ある問題について「なぜ?」の問いを繰り返し、最終的にたどりついた理由に対して、実行可能な解決策を考えていきます。

 

なぜなぜ分析をレポート作成に応用し、テーマの検討や設定に役立てます。

 

なぜなぜ分析はどうやるの?

  1. 分析したい課題を具体化する。
  2. 課題に対して「それはなぜ?」と問いかけ、その理由(あるいは原因)を考える。
  3. これを5回くり返す。
  4. たどり着いた真の理由(原因)に対して、実行可能な解決策を考える。

 

● ワーク2 問いを作る練習

2学期に書いたレポートの内容を振り返り、その中から問いになりそうなことを抜き出します。さらにその問いの中から調べても簡単には分からなさそうなことを選びます。

 

● ワーク3 なぜなぜ分析を応用して「問い」を深める

ワーク2で扱ったもの、または関連して調べる中で新たに考えたものなどの中から、わからないことが残っているものについて「なぜなぜ分析」をします。なぜこうなるのか、だけではなくどうしてこうならないのか、とつないでいくこともできます。

 

【練習】

身の回りのことになぜなぜ分析をやって記録する。分析の起点は日々の生活の中で目にすること耳にすることの中から選ぶとよい。

 

生徒のなぜなぜ分析の紹介:

課題:部屋の片づけが苦手で探し物がしにくい。

Q. なぜ探し物がしにくいのか?

A. ものが多くて、部屋の大きさに見合ってないから。

Q. なぜものが多いのか?

A.ストック品や2つ以上同じものをもっているから。

Q.なぜ同じものをもっているのか?

A.常に余裕を持ちたいから。

Q.なぜ常に余裕を持ちたいのか?

A. ぎりぎりで過ごして足りなくなり、いざという時にそれがないと安心できないから。

Q.なぜぎりぎりだと安心できないのか?

A.心配性の母の影響で小さい頃から何でも前々から準備しておく癖がついているから。

 

課題:今年はカメムシを多くみる。

  1. なぜ今年はカメムシが多く見たのか?

A. たくさんカメムシが生まれたから。

Q. なぜたくさんカメムシが生まれたのか?

A. 彼らにとって過ごしやすい環境だったから。

Q. なぜカメムシにとって過ごしやすい環境だったのか?

A. 気温が長い間温かかったから。

Q. なぜ気温が長い間温かかったのか?

A. 地球温暖化の影響で各地の温度が上昇していたから。

 

課題:日本で少子高齢化が進んでいる。

Q. なぜ少子高齢化が進んでいるのか?

  1. 子供を持ちたい人が減っているから。
  2. なぜ子供を持ちたい人が減っているか?

A. 晩婚化が進んでいるから。

Q. なぜ晩婚化が進んでいるのか?

A. 女性、男性共にキャリアを優先したり、ひとりで生きている方が生きやすいと思うから。

Q. なぜキャリアを優先するのか?

A. キャリアを生きがいにしたり、優先しないと生活ができないから。

→なぜ少子高齢化が進むかという質問から始まり、キャリアを優先して自分の生活を営むために子供は必要ないと考える人が多いのではないかという要因を推測しました。

 

社会問題から身の周りのことまでいろいろな課題が挙がりました。例えば、カメムシが多い問題については、地球温暖化が理由でカメムシが増えることを実証できたらそれが一つの研究になりえます。このように「なぜなぜ分析」をすることで、ふとした疑問から普遍的な問題やテーマが導き出されることがあり、また課題の解決につなげていくこともできます。このようにテーマの導き方のひとつとして、なぜなぜ分析を活用することを学ぶことができました。