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SSR(高校2年生) リサーチスキル基礎 第1回 調べる前に-そもそも何のために調べるのか

  • 2021.04.20
  • 授業

これから課題図書を読み進めレポートを書くことになりますが、今日はそのための基礎的な知識についてレクチャーを受けます。佐藤教諭からは、レポートを書くにあたり押さえておく必要があるポイント、西田教諭からは実際の新聞の社説から実践形式で文章の要点をいかに効率良くつかむかについて学びます。

 

●レポートとは

(1)レポートって何を書くの?

論理的に説明し、学んだ知識を元に問い、考察することです。単に自分の感想を書くものではなく、批判するにも肯定するにも裏付けが必要です。

(2)学問とは?

いつもの学習では、既存の知識や問題の解決法を得ること、つまり覚えることが中心だと思います。ただし、その知識は、今までの研究の中で多くの人が支持し、広く認められている考え方を基にしているもの、つまり決して「完全な」ものではありません。学問は、この知識を基に、その理論や仮説を更新していく作業です。批判的検討能力をもって、常識を疑い、本当か確かめる姿勢、また何が本質なのかを発見し、新たな解決法や対処法を見つけ出していく問題発見能力、解決能力が求められます。

(3)つまりレポートとは

知識に基づいて、問題が提起してあり、その問いに対する解答が示されていることが基本的な条件となります。この解答をいかに理論的に説明し、多様な考えを持つ人々に十分に理解してもらうことが必要です。こういった点からも、レポート力をあげるということは、コミュニケーション能力を高めていくことにも繋がり、皆さんが目指す国際会議開催においても大切なスキルになります。

 

●文章の要点を効率的につかむ

本を読むことは、知識を得るのと同時にものの見方や捉え方も学んでいます。著者の主張を様々な問題や事例に適用しながら検討していくことが、問題意識や批判能力を養い、「問う」土台をつくることにつながっています。そこで批評のための準備として、文章を要約してみましょう。

 

小論文例題「朝日新聞社説より」全体の大きな流れをつかむ

(1)「~しなければならない」という表現に注目し筆者の考え方の中心を捉えます。

(2)「~もらいたい」という表現に注目し筆者の望むことは何か理解します。

(3)「世界」と「日本」の現状についてその違いを明確にします。

(4)「気がかりなのは」とありますが、どうして「気がかり」なのか説明します。

 

論文の読み方や、要約の仕方は、練習を積むことも大切です。間違いは恐れず挑戦して欲しいと思います。また皆さんは調べるといった時には、すぐにインターネットから情報を得ようとすると思います。ただしインターネットの情報というのは、検索した言葉の情報を集めているだけです。そういった意味からもしっかりとした本を読み、多角的、また論理的な視点を身に付け、常に疑問をもち、考察する姿勢を持って欲しいと思います。

 

 

【本日のボーナス】

前回の授業でのアイスブレーク、チームビルディングで挑戦した塔の制作ですが、ちなみに西田先生が建てるとこんな風になりました。2枚ずつ重ねた新聞紙をくるくると巻いてから芯を引き出して伸ばすという工夫で、新聞紙の棒が長くしっかりとした支えになっています。みんなから大きな歓声があがりました!