SSR(高校2年生) 「まち」について-地図からまちを知る
- 2021.06.01
- 授業
「まち」ついて課題図書を読み進めている生徒たち。自分たちの地域を考察するにあたり、今日は視点を変えて地図上で実際の街を組み立ててみます。どのようなものが存在して欲しいか、また実際にはどこに存在するのかを、調べ、組み立て、検証するグループワークに取り組みました。
●各グループに用意したもの
- 京田辺市の地図
- カッター
- ウレタンパッド
- のり
- カラーペン
- カラー付箋
- iPad
●●作業
「自分たちが住む街には、どのような施設が必要だと思いますか?」
病院 学校 市役所 消防署 公園 郵便局 スーパー 駅 プール 飲食店 警察 道路 図書館 など
地図上のこれらの場所を調べ、そしてウレタンパッドを使って、地図上に配置してみよう。
小中学校の歴史からその地域の移り変わりや、そこから何がわかるかも考えてみましょう。
「気付いたことは?」
学校や公共施設は基本的に住宅地に隣接している
小学校が統廃合されていることから過疎化している地域がある
駅を中心に住宅地が移動
現在の住宅密集地は比較的新しそう
緑が多く自然が豊か など
●●●妄想し、そこから仮定へ
平面だった地図が徐々に立体的な街へと、実際のイメージがどんどん膨らんで来ました。ここからは、そのイメージをより膨らませて次のようなことを妄想し、仮定を立てましょう。
- その建物、施設がいつ、そしてその場所にできた背景
- 人口の推移、街の発展衰退の背景
- 現在のその地区の状況
- 人々の行動
わかってきたことをまとめ、グループごとに発表しました。
(1)奈良時代に建立された寺社があるなど歴史のある普賢寺地区だが、現在は小学校のみ、駅もないことから、住民は田辺地区へと移った
(2)茶畑が多く古くからお茶産業で栄え、そこを中心に住宅地ができ、学校や駅が建ってきた
(3)古い普賢寺地区から新田辺駅ができると人口がその付近に移動した
普賢寺小学校は、児童減少から特別制度(校区関係なく通学できる)を設けて児童を募集、学校の存続をはかっている
大住小、松井ヶ丘小は比較的隣接していて、松井山手の住宅地増設により一気に人口が増えたと考えられる
一方で人口増加に伴い建設された団地では現在住民の高齢化が進み、小学校の人数は減少傾向にある
地図はグループによっても個性が出ています。それぞれの工夫の違いもありますが、興味関心があることが少しずつ違うこともわかります。
その中でもどのグループの検証からも、地域の小中学校の改革史から、地域のまちづくりの様子や移り変わりを知ることができ、重要なリソースになっていることがわかりました。
地図には、気付きや、わかったこと等、多くの付箋も貼られて、街の様子が実際に視覚からもありありとわかるようになってきました。
今後は、京田辺に在住する知人に対してインタビューを行う予定です。実際に暮らす人達の意見も交え、さらに検証を進めていきます。京田辺に学校はあっても、縁の少ない生徒たち、それでも調べ進めていく中で興味や愛着も少しずつ湧いてきたようです。