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SSS(高校1年生)「京田辺ってどんなまち」–上村 崇 京田辺市長

  • 2022.11.26
  • 講演会

2学期最後の講座、京田辺市の上村市長をお招きし直接お話を伺うことのできる貴重な機会となりました。これまで生徒たちは、まちづくりにはどのような視点があるのか、どのようなまちづくりが理想的なのか、自分の周りのまちでは何が起きているのか、様々な観点から学び、持続可能なまちづくりについて考えてきました。私たちにとって大変身近な京田辺市についても、改めて機会を作り学んできたことから、今日の講演を楽しみに迎えました。

 

●生徒たちによる司会進行

京田辺市在住の生徒たちが今日の司会進行を務めました。まずは舞台裏でご挨拶。上村市長は、政治家、市長であり、生徒たちの普段の生活とはかけ離れた存在でありながら、気さくに接してくださいました。市長ご自身も同志社香里高校ご出身の内部生であり、生徒たちが同志社大学へ進学すれば先輩となり、そういった共通点からも親しみをたくさん感じることができました。

 

●上村崇市長講演「京田辺ってどんなまち」

市長が同志社国際での講演のために用意してくださった資料は、Google Classroomで共有しています。ここでは、講演のお話から印象的だった言葉をピックアップして紹介します。

 

「京田辺が皆さんのホームタウンになることを願って」

このせっかくの機会に、将来このまちが生徒たちにとっても大切なまちになることを願って、と話してくださいました。

「ネイティブ京田辺」

生まれも育ちも京田辺の地元民である市長。「ネイティブ京田辺」、大学生時代に友人たちからそう呼ばれていたそうです。そのくらい、京田辺に通学している学生たちにとって京田辺は田舎で何もない、魅力のない場所だったのです。市長はそう思われていることを心の中で悔しいと感じ、良いまちにしたい、まちづくりに関わりたいと思い、政治家を目指す原点になりました。

「47都道府県全て訪問!」

なかなかこれを達成している人は少ないと思います。市長が若いころより全国47都道府県を訪れ、また海外にも行く機会を得て感じたことは、実際にその地に足を踏み入れ感じ考えることで新たな視野が広がっていくので、そういったことを大切にして欲しいとアドバイスをくださいました。

「京田辺市は京都市や大阪市にはなれない!ならない!!」

京田辺市は交通の結節点であり、新名神が完成すればますます主要な都市部へのアクセスがよく恵まれた立地となります。交通の要であるということは歴史上、発展のポテンシャルがとても高いこともわかっています。まちの現状を踏まえてどう進んでいくか。生徒たちは刺激のあるまちが良いと思う年代ですが、どこかの都市と同じようになることが正解なのか、独自の良さとは何か、そういった観点でまちづくりを考えて欲しいとおっしゃいました。全国的な人口減少の中、京田辺市は人口増加の傾向にあり、将来の人口フレームを8万人と設定し、長いスパンでインフラの整備などを進めています。実は京田辺市では大学の下宿生などの比率が高く、そういった住民へのサービスも必要になります。便利なまち、自然豊かなまち、関西文化学術研究都市、といったまちの利点を踏まえてこれからの京田辺のあるべき姿をぜひ一緒に考えてくださいとおっしゃっていました。

「みんなでまちづくりを考える」

京田辺市では、まちづくり協議会を組織し、多様なまちづくりの主体によって構成されるコミュニティで地域の課題を掘り起こし、問題解決に取り組んでいます。公共を多様な主体が担っていくことはこれからの公共のかたちであるという信念のもと、市長は生徒たちに、自分のできる立場で関わり、公について共に考えて欲しいと願われています。時代の流れとともに地域コミュニティの希薄化が進むなか、困った時は助け合うような、皆が手を携えて問題を解決できるような温かいまちづくりがしたい。そのために「協働」は将来を見据えたまちづくりの大きなキーワードです。

 

●一問一答

生徒たちの質問にも時間ぎりぎりまでめいっぱい答えてくださいました!



市を魅力的なまちにするために、心がけていることは何か?

多くの方々との交流



人口が増加しているがその原因は何か?それに伴い生じている問題はあるか?

鉄道の開通で住宅地の開拓整備による人口増加の一方、近年では高齢化が進みその対策が必須



大阪市や京都市のように都市化計画はしているのか?

都市化ではなく良いまちへ、今後も多くの人に市に関わってもらうきっかけ作りを



同志社が京田辺市に与える影響は何か?

皆さんのような若い年代の人たちがいる!このアドバンテージを活かすこともこの先の課題



市長になる動機は?

市長になって京田辺市に対する思いの変化はあったか?

実家が京田辺、今は離れた場所で働く同級生たちの自慢の故郷にしたい



市長をしていてよかったことは何か?また苦労したことは何か?

こうやったらいいんじゃないかということが実際にうまく進むと嬉しいが、難航すれば地道な再検討や苦労も多い



まちづくりを進める上でのコンセプトは?

「市民参加型」市が全てを担うことはできない



市長の仕事の魅力や大変さは?

市長、政治家としての活動で、休みが少なく趣味も制限がかかる

ただし、単なるお金儲けではない、社会のために関わっているというやりがい、まちづくりに関わる誇り。そして自分の思いを発信できる仕事、共感してもらえた時の喜び



京田辺をどんなまちにしたいのか?理想のまちのために私たちは何ができるか?

「ワクワクするおもしろいまち」「人が集うまち」

なにより京田辺を好きになってもらいたい!



「いつまでも住み続けたいまち」に近づくためには?

シビックプライドを育む



これから有権者になる私たちに伝えたいことは?

そのまちのことをよく知って、より好きになって欲しい!

どんなことを目指しているかを知り、そして一緒に考えて欲しい!



●講演が終わり

講演の最後には、「これから皆さんが京田辺のことを知り、より身近なホームタウンとなっていけるよう頑張っていきたい」と力強く話してくださいました。今日は限られた時間のなかで、高校生に向けて思いのこもったお話をしてくださり、質問にも名確に答えてくださいました。何より、市長の京田辺への愛が伝わり、また、行政という一見、高校生には遠い話も身近に、そして分かりやすく解説してくださいました。生徒たちも最後まで、市長のお話に聞き入り、上村市長を好きになり、応援したくなり、そしてその市長が行政をリードする京田辺に改めて関心を持ったはずです。今日の講演のお話の中には、これまで授業で学んできた内容とつながることも数多くあり、また新たな気付きもあり、大変貴重な時間となりました。

上村市長、大変お忙しいなか、今日はこのような機会を作ってくださり本当にありがとうございました。