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SSS(高校1年生)京田辺市への政策提案 ークラス内発表

  • 2024.02.08
  • 授業

前回の講座では京田辺市へ政策提案をするためにグループで話し合い、発表の準備をしてきました。今日はグループごとに発表内容を仕上げ、クラス内で発表します。
発表する際にはグループ内でお互いの意見を尊重し、思いやりをもって行動することや、発表における言葉の選び方や表現の仕方に気を配ることが大切です。また政策の提案内容については、問題点が明確になっているか、提案に対する具体的な手段や効果はどのようなものか、などを意識することも重要です。これらを踏まえて、生徒たちがどのような政策提案を発表してくれるか楽しみです。

 

 

● クラス内発表の前に生徒たちはチームごとに発表内容の最終的な調整、見直しをし、発表練習に集中して取り組みました。先生にアドバイスをもらって具体的な課題を見直すチーム、発表内容が仕上がりタイムを計って発表練習をするチーム、絶えず話し声が聞こえるチーム、もくもくと真剣に準備をするチームと、様々な取り組み方が見られました。発表はスライドを使い、それぞれのチームで役割分担をして3分以内で課題の提起から政策の提案内容まで説明をします。

 

 

 

● 発表の評価ポイント
生徒たちの手元には評価シートがあり、それぞれのチームの発表を聞き、評価の観点を考慮してメモを取ります。最後には、全体の評価を振り返り、総合的にクラス代表としてふさわしい政策案をひとりひとりが決定して提出します。

評価項目:
実現性・実用性/費用対効果(効果・コスト)/独自性(独創的・画期的)/公平性・平等/将来性(持続性・維持性)

 

 

 

 

● 発表 - 6クラスのうち、ここではD組の発表をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

【シビックプライドを高める政策】
市民のシビックプライドを高めるために、市民が誇れる話題性のあるイベントを開催することを提案。事例として島根県出雲市のまちづくり人生ゲーム、東京都港区で取り組まれているシティプロモーションを紹介。住民のニーズに合った政策を実行できるよう、前もって政策プランをSNSで宣伝し、良い反応があった政策だけを実行する。

 

【多様な市民のつながりを育む政策】
公共スペースでの人の集まりは同年代に偏る傾向がある問題やコロナ禍によって市民同士のつながりが希薄になっている問題を解決するために、週末の猫の手政策を提案。週末に市民が集まってゴミ拾いをしたり、南部まちづくりセンターなど既存の公共スペースで幅広い年代が集まって交流できる場を作り、多様な市民同士のつながりを構築していく。

 

【公共施設やパブリックスペースの活用】
地域の住民、世代を越えた人たちの交流が少なく、公共施設の利用も少ないことを課題とし、地域単位の交流を増やし、体育館などの公共スペースやテントなどの備品を簡単に借りやすくすることを提案。また公園でお祭りを開催し、若者の参加率を上げ、世代を越えた交流の場を作る。イベントを知らせる方法としてLINEを活用。高齢者もスマートフォンが使えるようスマートフォンの教室を開く。

 

【交通政策】
路線バス利用者およびバス運転者が減少傾向にあり、バスを利用したい人が利用できなくなるという問題に着目し、将来も安心できる利用者や運転手の母数の確保を目標とした政策を提案。利用者を増やすための政策として、長野県木曽町の事例を紹介。またバス運転手を増やすため、路線バス会社と京田辺市が連携して、大型二種免許取得支援制度の導入を提案。バス運転手という職業が若者の未来の選択肢となるようにする。

 

【中心市街地の活性化】
京田辺市は立地が良く、利便性や他県へのアクセスは優れているが、市内において人が集まりにくい状況にあることを課題とし、市民が集まりやすい環境を整備し、経済の活性化と地域の発展を期待できる政策を提案する。具体的には空き地を利用したパブリックスペースの拡充や市民公募の団体の設立である。パブリックスペースの事例としてアメリカ、ニューヨークのマジソンスクエアパーク、市民公募の取り組みは長野県塩尻市の事例を紹介。

 

【少子高齢化に対する対策】
生産人口が減り、年齢階層別人口のバランスが崩れて私たちに大きな負担が出てくることを課題にし、生産人口を増やし、出生率を上げるために安心して子育てができる環境づくりを提案。具体的には子どもが多い家庭や経済的に厳しい家庭、保育園や幼稚園に子育てグッズ(リサイクル)を配布すること、親子で楽しめるイベントを開催して、子育てグッズを取りやすくすること。また学童などの子供を預けられる場所を増やす。

 

【農業、観光業、その他産業の創出等】
観光資源や観光者数が少ないことや農地が狭い、人手が足りない、宿が少ないことを課題とし、地域と連携して、人を惹きつける観光地を作ることを提案。事例として金沢21世紀美術館の市と連携したまちあるき政策、奈良県吉野町の森林セラピーの効果を活かした観光政策を紹介。またウェブプロモーションなどのインターネットを通じて京田辺市の魅力を発信することを提案する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

● 発表を終えて

【帖佐教諭のコメント】
発表ではみんなが真摯に課題に取り組んでいる様子が見られました。準備をする段階から、人の気持ちを考えた行動、気配りができていました。また、問題の提起から論理的に展開されていて、しっかりと考えられていたプレゼンテーションでした。聞いている人もしっかりと聞き、プレゼンテーションをする人も将来仕事で自信をもって話せるぐらい、上手に発表ができていて、とてもいい発表だったと思います。
【谷口教諭のコメント】
発表を見て、京田辺市を良くするために当事者意識をもって取り組めていたことが良かったと思います。京田辺市の現状や背景について調べ、真剣に考え、意見を出していたことに関心しました。一方で当事者意識を持っていない人も見受けられたので、発表する人も聞く人も、当事者意識を持つようにしましょう。また、発表の制限時間を大幅にオーバーするチームもありました。これからは時間を守って良いプレゼンテーションをしてもらいたいと思います。

 

● これからの予定
評価シートを集計後、クラス代表のチームを決めます。代表になったチームは、生徒たちからの意見を参考にプレゼンテーション内容をブラッシュアップして来月の全体発表に挑みます。全体発表には京田辺市役所市民参画課の職員がお越しになる予定で、提案発表を直接聴いていただく大変貴重な機会となります。もしかしたら提案内容が実現するようなことにつながるかもしれません!代表チームは気を引き締めて、次の発表に向けて準備をしてもらいたいと思います。