SSS(高校1年生)1-1 Introduction はじめに
- 2025.04.10
- 授業
高校での初日、始業式のあとの最初の授業がこの第1回SSS(Sustainable Society Study)講座です。この授業は文部科学省の委託事業であるWWL(World Wide Learning)コンソーシアム構築支援事業のひとつのプログラムです。本校は拠点校として、同志社大学等と協働して新しいカリキュラム開発を行い、国内外の連携校とともにそのカリキュラムに取り組んできました。引き続き、様々な社会課題について学び、その解決策を考えるプロセスを通じて、学んだ知識等を基礎として、答えのない問いに取り組む力を養います。1年生は必修科目となっており各学期に約2回のペースで開講します。
●3年間を通じての学び
SSS(Sustainable Society Study)/高校1年生(必須)
コミュニケーション力、基礎的な知識の習得、批判的思考、問題解決の方法論
SSR(Sustainable Society Research)/高校2年生(選択科目)
先例研究、文献調査、課題発見、研究方法
SSD(Sustainable Society Design)/高校3年生(選択科目)
好奇心・探求心・科学的思考、社会への提言、行動としてのまちづくり、他者との共働
●SSSの目指すもの
既に見いだされた事実や法則性を学ぶといったこれまでの学習を進めながら、俯瞰的な視野に立って答えのない問題について解決策を考えていくという取り組みです。これは、解けないということではなく、ひとつの答えがないということです。本校では多様なバックグランドを持つ生徒たちならではの発想で意見を出し合い、どのような解決方法があるかを考えていくプロセスの中で多くの学びがあります。例えば、これまでに「環境問題」をテーマにして学校の廃棄物問題について改善策を考えた際には、インセンティブが政策の効果に大きな影響をもつことを学び、そこからたくさんのアイディアが生まれました。
●テーマはまちづくり
当初SGH(Super Global Highschool)の認定校として「環境問題」に取り組んだ背景から、WWLではより発展的なテーマとして「まちづくり」をピックアップしました。これは2000年に国際連合で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)にある17の目標の中の11番「インクルーシブで安全かつレジリエントで持続可能な都市および人間環境を実現する」にあたります。環境はもちろん、交通、教育、産業などの問題について理解し、問題解決策を探り、持続可能な理想的な街とその実現についてさまざまな手法を使い、また現場での考察も交えて学びます。SDGsという言葉を聞いたことのある人も初めての人も、まずはSDGsの掲げる「誰も取り残さない」という尊い理念と各目標について理解してみましょう。目標は、「住みたいと思う街を提案」「京田辺市への提案」をすることです。まちを考えることは、誰にも関わる問題であると言えます。
SDGsの歴史
1945年 終戦。冷戦時代へ、冷戦が終わって1つの世界を目指そうとしました。
2000年 国際連合ミレニアムサミットにおいて国連ミレニアム宣言が採択され、翌年にミレニアム開発目標(MDGs)が策定されました。世界が、世界の課題(主に開発途上国の問題)を解決するため、2015年までの期限付き、具体的な数値目標、達成度の確認を含む共通の目標に向かって協力して動き出します。
2015年 MDGs開発アジェンダの節目の年に開催された国際連合持続可能な開発サミットにおいて、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」を全会一致で採択。MDGsは期限を定めた測定可能な8つの目標を掲げた工程表に具体化され、このかつてない取り組みが計り知れない成果をもたらした一方で、最も脆弱な人びとが置き去りにされていることも確認されました。そこで、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、宣言および目標をかかげました。ここでは誰ひとりとり残さない世界を作るという共通の目標が設定されました。この目標が、ミレニアム開発目標(MDGs)の後継であり、17の目標(Goals)と169のTargetからなる持続可能な開発目標(SDGs)です。MDGsとの大きな違いは、先進国だけでなく開発途上国も一丸となり目標に向かい行動するということです。
●アカデミックスキルズ
講座の内容にとどまらず、今後の学びの基礎となる、Academic Skills、特に問題の分析・調査の方法や、批判的思考、議論をしたり、その結果をまとめて発表したり、レポートを書いたりする技術の習得を目指します。Academic Skillsは、この学校はもちろん、卒業後にも生かされるものです。社会に積極的に関心を向け、主体的に行動できる人になって欲しいと思っています。
問題の分析 analysis
調査 research
考える・批判的な思考 critical thinking
話し合う・相談する discussion
まとめる summarization
発表する presentation, report
●担当する教員
この講座の大きな特色として、多様な科目の教員によるチームティーチングがあります。グローバル化が進み、多様な社会における問題解決にあたってさまざまな視点からのアプローチは必須です。そこで、さまざまな科目の教員が関わり1つの講座を受け持つというスタイルを取っています。今日は教員の住みたいまちを軸に自己紹介がありました。

2020当初からWWL講座に関わり、今年は高3SSDも担当。移動の利便性から都市部に住みたいと考える。出身も東京都心部で、今後もし別の場所に住むとしたら横浜。理由は交通のハブとして優れているため。

答えのない課題に取り組むというこの講座を現高1の皆さんと挑戦したかった。場所・人・ことの3つが揃うとよいという恩師の言葉から、現在住む生駒はそれに当てはまっている。読書好きで石川県のような素敵な図書館があるまちに憧れがある。

住むまちは自分の人生とも直結するのでぜひ興味を持って!以前は田舎が嫌だったが、現在は考え方に変化も。温泉好きが高じて温泉ソムリエの資格も取得、水質が好みで、気軽に温泉にも入れることから大分別府に住んでみたい。
朴元 婀怜 教諭(聖書/D組担当)どこで人生の最後を迎えたいか考えるとき、就職で京都に来たが、やはり地元の高田馬場が今のところの候補地。「胸やけするほどハイカロリーな街」として紹介もされ、再開発、情報が渦巻く社会に気後れしてしまう気持ちもある。

地元、京田辺出身。講座を通してまちづくり、SDGsを受け止める側から関わる側に意識が変化。シアトルは行ってみたい都市で、理由は芸術、カフェ文化、そして世界的な大企業の発祥地、創造的な本社のある街としても興味深い。
帖佐 香織 教諭(社会/F組担当)WWL講座の前身であるSGH講座から通して、今年は高2SSR講座も担当。パリに留学経験があることから、パリが好き。マルシェ、公園、夜景は素晴らしく、またバレエや芸術などの街としてとても文化的でいつも身近にあることも魅力。
この講座を担当する教員も、この講座を通して生徒たちと一緒に学ぶことを楽しみにしています。時には今日のようなホールにて全員で、また時には各クラスに分かれてクラス単位、グループ単位で取り組みますが、それぞれの場面で、それぞれが果たせる役割を思う存分発揮して、どんどん前向きに参加して欲しいと思います。これから一年、まちづくりを楽しく学んでいきましょう!
本日の課題
自分の住みたい街についての考察、教員の話を聞いてきづいたことをまとめましょう。

