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SSS(高校1年生)Introduction

  • 2024.04.10
  • 授業

高校での初日、始業式のあとの最初の授業がこの第1回SSS(Sustainable Society Study)講座です。この授業は文部科学省の委託事業であるWWL(World Wide Learning)コンソーシアム構築支援事業のひとつのプログラムです。本校は拠点校となり、同志社大学等と協働して新しいカリキュラム開発を行います。

 

【3年間を通じて学ぶこと】

●SSS(Sustainable Society Study)/高校1年生・・・1年生全員(各学期1~2回)

コミュニケーション力、基礎的な知識の習得、批判的思考、問題解決の方法論

●SSR(Sustainable Society Research)/高校2年生・・・選択科目(毎週)

先例研究、文献調査、課題発見、研究方法

●SSD(Sustainable Society Design)/高校3年生・・・SSRからの引き続き選択科目(毎週)

好奇心・探求心・科学的思考、社会への提言、行動としてのまちづくり、他者との共働

特に全体を通じて、アカデミックスキルズ(知識と思考をテーマのもとに表現する一連のプロセス)が必要となります。どのような解決策があるかということを考えるにあたり、直感的な思いつきやひらめきだけでは解決になりません。また一般的にはその実現のために人、そして時間やお金を使うので、実行していくには説得力がなければいけません。

問題の分析➡調査➡考える、批判的な思考➡話し合う、相談する➡まとめる➡発表する

答えのない、答えが決して1つではない社会問題に対して理論的な思考を行い、今後直面するであろうあらゆる課題に対しても通用する問題解決スキルを身に着けます。

 

【テーマはまちづくり】

当初SGH(Super Global Highschool)の認定校として「環境問題」に取り組んだ背景から、WWLではより発展的なテーマとして「まちづくり」をピックアップしました。これは2000年に国際連合で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)にある17の目標の中の11番「インクルーシブで安全かつレジリエントで持続可能な都市および人間環境を実現する」にあたります。環境はもちろん、交通、教育、産業などの問題について理解し、問題解決策を探り、持続可能な理想的な街とその実現についてさまざまな手法を使い、また現場での考察も交えて学びます。SDGsという言葉を聞いたことのある人も初めての人も、まずはSDGsの掲げる「誰も取り残さない」という尊い理念と各目標について理解してみましょう。

【担当する教員】

この講座の大きな特色として、多様な科目の教員によるチームティーチングがあります。グローバル化が進み、多様な社会における問題解決にあたって答えは1つではありません。この講座でも、多様な角度から問題にアプローチします。そこで、さまざまな科目の教員が関わり1つの講座を受け持つというスタイルを取っています。今日は自己紹介として①海外の住みたいまちと②その理由について話してもらいました。

帖佐香織教諭(社会/A組担当) ①パリ ②日常生活がキラキラする。美意識が高い。公共交通の充実。

芦屋の河川敷もお気に入りです。様々な人との会話を楽しめる環境が好きです。

北川浩二教諭(美術/B組担当) ①シアトル ②芸術、カフェ文化、企業が元気。

大企業発祥の街としても興味深い。地元、京田辺出身。講座を通してまちづくり、SDGsを受け止める側から関わる側に意識が変わりました。

吉田恵都子教諭(家庭科/C組担当) ①リヨン ②美食の街、絹の街、ポールボキューズの街、河のある街。

まちづくりの研究として長野の芸術祭に行き、自然の豊かさと芸術の融合にも感動しました。

坂下淳一教諭(理科/D組担当) ①アムステルダム ② 運河の街。自転車が便利。散歩、素晴らしい図書館などの楽しみ。

京都在住、ほどよく都会で田舎、アカデミックな雰囲気も気に入っています。

谷口健太教諭(理科/E組担当) ①タイ ②温暖な気候、美しい海沿いで趣味のゴルフが一年中できる。

この講座を通して自分の住んでいる街への視点が変わりました。

朴元婀怜教諭(聖書/F組担当) ①ソウル ②自分のルーツでもあり、キリスト教をマジョリティーの視点から見てみたかった。食べ物がおいしい。

東京出身、中高時代のキャンプで毎年訪れた自然豊かな長野大好きです。

この講座を担当する教員も、この講座を通して生徒たちと一緒に学ぶことを楽しみにしています。時には今日のようなホールで全員で、また時には各クラスに分かれてクラス単位、グループ単位で取り組みますが、それぞれの場面で、それぞれが果たせる役割を思う存分発揮して、どんどん前向きに参加して欲しいと思います。これから一年、まちづくりを楽しく学んでいきましょう!

【欧州フィールドワークの様子/2023年度SSD受講生】

2023年度SSD受講者より6名が2024年3月に欧州フィールドワークに参加しました。公共交通と公共スペースについて研究をまとめ、デンマークとスウェーデンを訪問した際には、自治体や現地でのさまざまな取り組みに触れ、また現地の高校生との交流もありました。フィールドワークの様子は別の記事で紹介する予定です。