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SSS(高校1年生)まちづくりとは

  • 2022.05.14
  • 授業

●「まちづくり」とは何か
「身近な住環境を改善」し、「地域の魅力や活力を高める」持続的な活動のこと。
ハード面:交通計画、施設計画、防災計画など
ソフト面:人々の交わり、サービス
「まちづくり」とは、豊かな生活をするうえで必要な取り組み全てを含む言葉

●●「まちづくり」に誰がかかわっているのか
行政、住民、専門家、などなどさまざまな関わり方があります。

●●●「まちづくり」にはどのような知識が必要で、どの分野の知識を使って考えればいいのでしょうか。それぞれの人が関わることができるとも言えます。みなさんはどのように関わっていけばよいでしょうか。
目標のターゲットからも、あらゆる分野の知識がまちづくりに関わっていることがわかります。現在、世界の半分以上の人口が都市に暮らしています。


SDGsの目標#11「住み続けられるまちづくりを」のターゲット

11-1 2030年までに、すべての人が、住むのに十分で安全な家に、安い値段で住むこと

       ができ、基本的なサービスが使えるようにし、都市の貧しい人びとが住む地域(ス

ラム)の状況をよくする。

11-2 2030年までに、女性や子ども、障害のある人、お年寄りなど、弱い立場にある人

       びとが必要としていることを特によく考え、公共の交通手段を広げるなどして、

   べての人が、安い値段で、安全に、持続可能な交通手段を使えるようにする。

11-3 2030年までに、だれも取り残さない持続可能なまちづくりをすすめる。すべての

       国で、だれもが参加できる形で持続可能なまちづくりを計画し実行できるような力

を高める

11-4 世界の文化遺産や自然遺産を保護し、保っていくための努力を強化する。

11-5 2030年までに、貧しい人びとや、特に弱い立場にある人びとを守ることを考えて、

水害などの災害によって命を失う人や被害を受ける人の数を大きく減らす。世界の

国内総生産(GDP)に対して災害が直接もたらす経済的な損害を大きく減らす

11-6 2030年までに、大気の質やごみの処理などに特に注意をはらうなどして、都市に

住む人(一人当たり)が環境に与える影響を減らす。

11-7 2030年までに、特に女性や子ども、お年寄りや障がいのある人などをふくめ

   て、だれもが、安全で使いやすい緑地や公共の場所を使えるようにする。


●●●●さまざまな視点からSSSを担当する教員が「まちづくり」に関してどのようなことに興味を持っているか1人1人話を聞いてみましょう。


「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」北川教諭

私はずっと京田辺に住んでいますが、京都市に行く理由を考えてみました。街ではいろいろなことが企画されています。このイベントも、普段は立ち入れない建物や、何気ない商店街での意外性のある展示など、街を興味深く探索しながらアートもとても新鮮な気持ちで堪能できるおもしろい企画でした。


「北アルプス国際芸術祭」吉田教諭

持続可能な地域づくりを目指し、3年に1度開催される国際芸術祭です。北アルプスの大自然を背景にアート作品が展示され、感動しました。思わず2020年には2度訪れたほどです。この地域の魅力を存分に楽しむことができ、来場者の半数を超える人が県外から。その結果、大きな地域への経済波及効果も及ぼしています。


『「助けて」といえる国へ 著:奥田知志、茂木健一郎』 朴元教諭

この書籍では、「助けてと言えない、言わせない社会」の在り方について、牧師である奥田知志氏が代表をつとめるNPO法人「北九州ホームレス支援機構」での活動を通して見つめなおしています。「強い人が弱い人を助ける」ではなく「弱い人同士が共に生きる」という視点はまちづくりにも必要ではないかと気付かされます。


『フランスの地方都市にはなぜシャッター通りがないのか 著:ヴァンソン藤井由実』 帖佐教諭

私も訪れたフランスのストラスブールは地方都市であるのに活気があります。この書籍では、トラムや街の建物が大きく関わっていることに改めて気付くことができます。まさに「豊かな生活」の考え方を実践。まちづくりのダイナミズムの軸として交通を位置づけ、さまざまな政策について論じられていて参考になります。


『シビックプライド 著:伊藤香織、紫牟田伸子 他』坂下教諭

八尾で割れないグラスを開発したゴムメーカーは、話題になり受賞も、そして従業員は自分の会社や製品に誇りを持ち働き方も変わったそうです。この本では「誇りに思う」ことが一つのキーワード、「I amsterdam」というキャッチコピーに代表されるアムステルダムなど、シビックプライドが育つさまざまな都市の取り組みを紹介しています。


『神山プロジェクト 未来の働き方を実験する 著:篠原 匡』松野教諭

この本は、徳島の電車も通らない山中の集落で、9社のベンチャー企業のオフィスを持ち、移住希望者が増加し続けるまでに至る経緯が紹介されています。私も訪ねましたが、ぜひ一度行って欲しい場所です。一般的にはPCで仕事をする時、さあ山に行こうとは思いませんよね。どのような働きかけがあったのか興味深いです。


 

6人の教員も「まちづくり」に対しての視点はさまざまです。そしてまちづくりは、さまざまな視点から取り組まれていることもわかりました。そこで、実際に第一線でまちづくりに関わる専門的な知見を持つ方を講師にお招きする予定です。