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SSS(高校1年生)まちづくりの先行事例 -東京都渋谷区

  • 2022.11.14
  • 授業

3学期最初の講座、まちづくりの先行事例として坂下教諭による渋谷の再開発についてのお話です。ちょうどタイムリーなことに、今朝のニュースで渋谷駅改良工事に伴う山手線終日運休が報道されていました。街の発展の歴史とともに、線路やホームが複雑に入り組んでいた渋谷駅ですが、その大々的な付け替えや統一の大改修が行われています。小学校から大学までこの山手線で通学していたという宗教科の朴元教諭の渋谷のイメージもバラバラなものが混在して集まっているイメージだそうです。今回は坂下教諭のご友人でオリンピックの有明体操競技場など数々の建築を手掛けられている高橋秀通氏とのお話の中で、まちづくりに携わっている部署を紹介していただくことができ、このようなタイムリーなお話を伺うことができました。

【渋谷再開発】

●日建設計 金行美佳さん(都市・社会基盤部門都市開発グループ ダイレクター)

日建設計で渋谷の都市開発に携わる中心人物です。渋谷未来デザインの設立から参画し、プロジェクトデザイナーとして規制緩和やエリアマネジメントの仕組みづくりに取り組まれています。

●公共施設と民間の力を活用

公共施設などの建設、維持管理、運営などを民間の資金、運営能力および技術的能力を活用。協力してやっていかない限り開発は不可能。

●100年に1度といわれる大改造

関東大震災後、街の発展とともに各鉄道事業者が路線を増やし、駅舎を継ぎ足し続けた結果、同線が混乱。老朽化、谷になっている土地の特徴ならではの弊害、地震や災害時の備えの脆弱さなど街全体を再構築する必要性。

「土地建物所有者が混在していて、計画は利害が一致せず困難では?」という疑問に対しては、所有者がほぼ同じだったこと、再開発にはどの業者もメリットが多かったことで利害が一致し計画が進んだことがわかりました。

●委員会

渋谷未来デザインや渋谷駅中心地区デザイン会議など、学識委員、地元代表委員、行政委員が参加する委員会により、様々な立場の人が集まて意見やアイディアを出し合い、方向性を決めていく。独断でリーダーシップを取るわけではない。

●ニューヨーク、ハイラインの例

ニューヨークでは、かつて物流に使われ廃線になっていた2.3キロにも及ぶ高架の線路を、取り壊すことなく歩く公園としてまちのオアシスに生まれ変わらせました。造園のデザイナーなど民間の人たちも多く関わってデザインされました。それにより、寂れていた周辺の地域の治安も回復し人の行き来が活発になりました。

●ワークシートへの書き込み(まとめ)

生徒たちは話を聞き、まとめをワークシートに書き込みます。

・渋谷区の課題

・日建設計はこうした課題の経穴に対してどのような取り組みを行ったか

・HIGH LINEとは?宮下公園には、ほかの公園と比較してどのような特徴があったか

・話を聞いて考えたこと

・先行事例で紹介されたまちのどこなにフィールドワークで行くとしたら、どこにいってみたいか

 

【3学期の取り組み】

いくつかのまちづくりの先行事例について学習し、京田辺市の政策や取り組みについては上村市長自らが講演にも来てくださいました。0から思い付くことは非常に難しいことであり先例に学ぶことは大変有意義です。また自分の思い付くことはたいがい社会では誰かが既に思い付いていると考えます。それぞれのまちの資金や住民の時間などのリソースも考慮し、効果的な政策に取り組むことの必要性も学びました。3学期は、これらの学習を踏まえ、京田辺市への政策を立案し、政策提案をしてもらいます。その政策を、実際に市の担当者に伝え実現することも目指します。皆さんの主体的な取り組みを期待しています!


京田辺市長の講演についての生徒の感想(一部抜粋)

また、京田辺市の良い点と課題点を挙げ、課題を解決するにはどうすれば良いかを具体的に考え、それを改善するために行動に移すというプロセスは私たちの生活の中で生かすことができると思いました。他にも学んだことはたくさんあり、それらもこれから私たちにとって良い影響を与えてくれると感じたので、自分の中で積極的にこれらの学びを活かせるような思考をし、行動に移していこうと思います。


感想は全員が提出しました。抜粋した感想のように、実際に何か行動に移そうと考える生徒もいて、とても頼もしいと感じました。