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SSS(高校1年生)フィールドワーク②神山町の場合/ポスターセッションの概要と事前に考えること(続き)

  • 2021.09.25
  • 授業

今日の前半は、先週の近江八幡市に引き続き、候補地の1つである徳島県神山町について、事前にリサーチを行った福田教諭と松野教諭よりお話を聞きました。そして後半は、いずれリサーチの成果を発表する際のプレゼンテーションの準備について、松野教諭よりさらに詳細に学びます。

 

【徳島県神山町】

● 概要

位置:徳島県東部の名西郡に属し、徳島市内から車で45分

立地:周囲を標高1000メートル級の山々に囲まれ総面積の83%を山林が占める。吉野川の支流で一級河川の清流・鮎喰川が町を流れる

● キーワード

NPO法人グリーンバレー:「神山町国際交流協会(1992年設立)」を前身とし「日本の田舎をステキに変える!」をミッションに2004年に設立

神山町生まれ育ちの大南氏が、家業を継ぐためにUターン、純粋にまちを楽しくしたいという気持ちで取り組んだ

消滅可能性都市:20年前に、20~39歳の女性の数が、2010年から40年にかけて5割以下に減るとされる自治体に選ばれる

創造的過疎:グリーンバレーの大南氏が2007年に作った造語

若者や創造的な人材を誘致し、神山町の人口構成の健全化を図り、多様な働き方が可能なビジネスとしての場の価値を高める

農林業にだけ頼らず、持続可能な地域を目指す

アーティスト イン レジデンス:アートによる国際交流プログラム、神山町の地域づくりの原点

毎年3名のアーティストを神山町に招待し19年で21ヶ国から70名弱のアーティストがまちを訪れ、その中には定住する人も増えている

神山つなぐ公社:2015年に持続可能なまちづくりを目指す創生戦略「まちを将来世代につなぐプロジェクト」を策定

行政と民間をつなぐ役割を担う中間支援組織

現在は12人のメンバーがそれぞれの専門性を活かして、多方面でまちづくりに携わっている

● 神山町の取り組み

ワーク イン レジデンス:「何もない」ことから発想の転換で、手に職を持つ人たちの移住をサポート

2010年からはサテライトオフィスの誘致、移住が始まる

森の図書館:神山町の住民が鍵を持ち、人生の3つのタイミングで本を寄贈する仕組み


なんの変哲もなさそうに思える過疎の町神山町は、なぜ進化し続け、人々を魅了するのだろう。


神山町の取り組みは、コロナ禍の影響もあって最近のことかと思われがちですが、実は住民が30年以上も前から「まちをおもしろく」をコンセプトとして続けてきた活動が現在に繋がっています。合い言葉は「やったらええんちゃう」できることはどんどんチャレンジしたらいいという寛大さ、訪ねてくる人たちにとっても穏やかでオープンな地域となり、それがとても居心地の良い、また人を呼ぶ良い循環になっています。人を惹き付けるまちの魅力は物理的に「何か」があることだけではないという、まちづくりの気付きをもらいます。

 

【プレゼンテーション(続き)】

● ポスター発表の当日まで

事前の確認:手書きか電子か?何か作る?プリンターは?

                                  → 今日の講義のメイン!

作成作業:見やすいか?わかりやすいか?論理的か?

● ポスターの想定

会場の目的:会場の目的を確認し、来場者が何を見に、聞きに来るのかを明確に把握

サイズの指定:指定されたポスターサイズはA0版の縦が一般的(A4の16倍の大きさ 118.9×84.1㎝)

作成の方法:PowerPointを使用

● 事前イメージと作業フロー

事前に大きさをイメージ:図表を含めてストーリーを考える

使用するアプリケーション:PowerPointが手軽でおすすめ、ほとんどの施設で使えることが多い

他のツールを使用した場合も、最後はPDFにすることが汎用性の面からもベター

印刷の方法:「大判印刷」なのか「分割印刷」なのか使用できるプリンターによって考えておく

● PowerPointでの作成のコツ

・レイアウト:白紙

・内容とストーリーを精査

・縦横のラインと余白を意識

・配置や隙間はできるだけ等間隔→配置機能を活用

● ポスターの作り方

良いと思ったポスターは、その理由を考えておこう

参考になる図書:宮野公樹「学生・研究者のための伝わる!学会ポスターのデザイン術 ポスター発表を成功に導くプレゼン手法」化学同人,2011年

 

リサーチしたことを発表する機会があった時に、内容を相手にいかに明確に伝わりやすく、また限られたプレゼンの時間の中でポスターも利用して印象に残るものにするための準備や知識を学びました。