WWLニュース

WWL

SSS(高校1年生)フィールドワーク③淡路島の場合

  • 2021.10.09
  • 授業

近江八幡市、神山町に引き続き、候補地の1つである兵庫県淡路島について、事前にリサーチのために訪れた帖佐教諭よりお話を聞きました。「田舎の概念が変わった!」というのが率直な最初の感想だそうです。映像も交えてフィールドワークで訪れる各地の説明を受け、どのような学びが予定されているか確認し、最後に田舎の概念が変わった1つの要素として「コミュニティと豊かさ」について感じられたことを共有しました。

 

【兵庫県淡路島】

●概要

構成:淡路市、洲本市、南あわじ市の3市

位置:瀬戸内海の東端に位置し、東は大阪湾・奇襲海峡を隔てて大阪府・和歌山県に、西は大鳴門橋で徳島県に、北は明石海峡大橋で神戸市と隣接

→瀬戸内海の交通上の重要な場所に位置する!

歴史:日本で最も古い歴史書「古事記」「日本書紀」によると、イザナギ、イザナミの二神の神話にて国生みによって最初に生まれたのが淡路島であることが伝えられている。また平安時代の史書「延喜式」では、天皇家に食糧を収める御食つ国であったとも記される。

→日本の始まりの地とされ古くから重要な場所であった。また神様への食糧の提供の拠点であったことから豊かで良いものができる恵まれた土地であった!

●キーワード

みんなで創る、協力する、元からあるもの、慣れ親しんだ場所を受け継ぎ大切にする

津名地区ノマド村:「ノマド」とは異動民、定住地である村という組み合わせ、いろいろな人が集まって、たえず変化していく、開かれた場として、仕事やコミュニケーションの場として解放、個人と企業、島の中と外、業種や人種の垣根を越えた新しいはたらき方を見つける場所の創造。

Awabiware:受け継ぐ器をコンセプトに日用食器を制作。「あわび」は淡路島の美しさ、「ウェア」は製品。伝統工芸の珉平焼(淡路焼)を継承。

日常のなかにある普遍的なものを求めて

洲本中部 HIRAMATSUGUMI:淡路島の古民家を集めた暮らしの提案型古民家再生プロジェクト「recominca」やコミュニティ・スペース「233」の運営、淡路島産の素材を使った家の提案「淡路島の家プロジェクト」など日常のなかにある普遍的なものを求めてそこで暮らすための建築に向き合う。

田舎=農業=大変 を変える

三原地区淡路島西洋野菜園:有機農法の先進地、兵庫県丹波市でのワークキャンプに参加した柴山さんご夫妻、2010年に淡路島へ、元診療所をご自宅に有機農法で西洋野菜を栽培。淡路島の「島の食卓」の開催にも関わる。

地元の人が主体ではなく、他からのアプローチによる地域活性

北淡地区のじまスコーラ(株式会社パソナ):2008年より農業の活性化・独立就農を目指すチャレンジファームを皮切りに、人材誘致による独自の地域活性事業に取り組む。廃校になった小学校を再生し、「食・農・学・芸」をキーワードに地域活性の情報発信基地として、交流の場としてイベントを開催。


訪れてみて・・・帖佐香織教諭の感想

「田舎」は「都会」になるべきか、改めてそこで暮らす人々の価値観や取り組み、生活スタイルに触れて考えさせられる貴重な体験でした。「没場所化(どの場所も外見、雰囲気まで同じになりアイデンティティが喪失)する郊外」「ワークライフバランスの現実が難しい生活」「地方文化の伝承が重要な理由」に対する解答を与えてくれるような画期的な学びでした。


訪れてみて・・・山田Sean教諭の感想

Reform/Rebuilding/Renewal/Revive/Reassess

SDGsを心に入れて生活することを実践、

Gain the knowledge and practice what you can.


淡路島での各訪問先から、そのネーミングも再利用している建物も取り組みも、いわゆる「田舎」という勝手なイメージとは違い、オシャレで、明るく、洗練された雰囲気まで感じさせられます。田舎は、人口減少や効率化からしても消滅していっても仕方がない、当たり前のようにそう感じていたことが、歴史ある日本の文化や伝統が途絶え、また単一化しかねない都市やまちづくりが私たちの大切なものを奪っていたのではないか、素敵に良き古き伝統を受け継ぐこともできる、将来何を守りどう生きることが自分にとっても他人にとっても幸せなのか、様々なことを再度考えさせられました。また淡路島のそれぞれの場所から、地域作りにおいても、理想を持った仲間が集い、その輪を広げ、話し合うことができるコミュニティが大切だと感じます。

これで、現在までのフィールドワークとして予定されている訪問地の解説は終了です。新たな追加の訪問先、フィールドワークの時期、募集などについては改めて説明します。