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SSS(高校1年生)研究について

  • 2022.09.03
  • 授業

2学期のSSS第一回目の講座です。今日は、これからこの講座においても様々なリサーチを行っていくうえで、研究について考えていきたいと思います。研究とは、知の生産です。知りたいことに値する問いをみつけ、その問いに対して根拠のはっきりとした答えを導くことです。日ごろ、私たちは誰かの研究によって生み出された知識を消費(活用)することがほとんどです。自分なりの省察や発想、アイディア等に基づいて新たな知見を創造するということは、具体的にどのようなことでしょうか。帖佐教諭による解説でより理解を深めていきます。

●研究とは

全ての分野において、研究をする上では、基礎研究、応用研究  開発研究というプロセスを積み重ねることになります。

【基礎研究】

現象や観察した事実に関して新しい知識を得るため、あるいは理論を作り出すためなどに、実用性を考慮せずに行われる研究。

例:iPS細胞研究、イベルメクチンにつながるエバーメクチンの発見

【応用研究】

基礎研究によって発見された知識等を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究、および既に実用化されている方法に関して、新たな応用方法を探索する研究。

【開発研究】

基礎研究、応用研究、および実際の経験から得た知識の利用、新しい素材、装置、製品、システム、工程等の導入または既存のものの改良をねらいとする研究開発。


【研究のプロセス】

研究対象の明確化

研究対象の調査・分析

新しい知見の創造

研究成果


自分が何を研究するのか、明確にする必要があります。そのうえで状況を把握したり原因をさぐるなど、ボトルネックは何かというような分析を行います。問題をどのように解決できるのか。独自性のある考えをまとめること、ここが個性の見せ所です。研究の成果は発表しなければ伝わりません。様々な工夫を凝らしどのようにすれば正しく伝わるか、伝えるか重要です。


【フィールドワーク】

 目的をはっきりさせる

計画を立てる


ある調査対象について、実際に現地を音連れて訪れて、直接観察を行ったり、インタビューやアンケート調査、資料収集を行う調査方法。事前の調査は済ませておく。また、特定の人に話を聞く場合は、アポイントを取り、その段階での質問内容を事前に送るなどまとめておけば効率的です。


以前のSSRでのフライブルク、コペンハーゲンへのフィールドワークでも、実際に行って、見て、話しを聞くことは大変有意義でした。観光とは違い目的を持ち、計画的に実行することが大切です。皆さんにもぜひフィールドワークの楽しさを味わってほしいと思います。

 

●まちづくりの実践地域の紹介

今回、このSSSに携わる教員たちが、フィールドワークの候補地でもあるいくつかのまちづくりの実践地域を訪れました。今後の講座では、規模の違った、また課題も違う、それぞれのまちづくりの取り組みについて報告を聞いてもらい、一緒に学びたいと思います。


1 千葉/柏の葉「課題解決を目指し、公・民・学連携で目指すスマートシティ」

2 富山/富山市「歩いて暮らせるライフスタイルを可能にするコンパクトシティ(SDGs未来都市)

3 東京都/渋谷区「1日330万人もの乗降客が行き交う世界有数の巨大ターミナルの100年に一度の再開発」

4 滋賀県/近江八幡市「SDGsへの取り組みで目指す、人がつながり未来をつむぐまち」

5 兵庫県/淡路島「移住者による豊かな地域資源の再発見を通した、働くことと生きることがつながるコミュニティ

6 徳島県/神山町「移住者の多様な働き方によって生まれる、全員参加型コミュニティ」


それぞれのまちがそれぞれの課題と向き合い、地域の特性を活かした問題解決に取り組んでいます。「豊かなまち」が経済的に豊かかどうかはここでは問題でないことに気が付きます。まちづくりは、地域をどううまく治めて、その地域の人々の幸せな暮らしをどう守るかということ。地域の課題を乗り越えて人々が豊かな生活を送ることが目的だということを再度考慮し、「豊かさ」がどのような要素から成り立っているのか改めて考えてみたいと思います。