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SSS(高校1年生) まちづくりとは -武田重昭先生講演のふりかえり

  • 2021.06.12
  • 授業

先日「まちづくり」について講演いただいた武田重昭先生のお話から、受講者全員にコメントシートを提出してもらいました。今日はその一部をシェアし、講演を振り返りたいと思います。生徒たちは感想を共有し、改めて気づいたこと、感じること、考えたことをワークシートに記入していきました。各クラスでの講座となった今日ですが、急遽E組とF組はネットの同時配信を駆使した共同授業となり、この珍しい試みは、違うクラスが一緒に盛り上がるという楽しい体験にもなりました。

 

【生徒たちの感想より】

 

『今まで何気なく見てきた街のデザインや構成には様々なアイディアが組み込まれていることを知ることができました。』

『僕もアメリカのコッペルという市に住んでいて、たくさんイベントがあって、市民が街を良くしているんだなと改めて感じました』

『アメリカ合衆国35代大統領ジョン・F・ケネディは、「国家があなたたちに何をしてくれるかを求めず、国家のために何ができるかを考えてください」と言いましたが、まさに街についても同じだと思いました』

『「街づくり」は一言に収められるものではなく、倫理的な知識、相手を敬うこと、様々な設備や制度などの使いやすさについて考えることなどいろいろな関わりがあっておこなわれているんだと感じました。この学校だからこそ議論できることをたくさんしていきたいです』

『上海では昔の古い通りがたくさんあり、近年壊され、開発中となっています。実際それは過去とくらべ人びとの生活にプラスはなく、逆に静かになってしる気がします。こういうことの違和感が、確かに今回解消された気がします。』

『私達はすぐに「誰かがやってくれるだろう」と考えてしまいますが、やはり自分から考え、行動することが人として、とても大切なのだろうと感じました。外面的な美しさも大切ですが、それと同時に「住みやすさ」というものを作っていくにはどうしたらいいのかなと深く考えました。今回の講演会がなければこんなことは今まで考えなかったのかなと思いました。』

『自然や利便性なども重要だけれど、1番大切なのは市民の街に対する誇りや愛着なんだと思いました。』

『「1万人が年に1度より、100人が年に100回」という言葉のように、常に活気があり、人々に寄り添うまちが良い街なのだと思いました。』

『街づくりには強いリーダーとそのフォロワーが必要だと思い込んでいた私はリーダーシップよりフォローシップの方が大切だと聞き面白味を感じました。』

『今回の講演を聴いて考えたことは「街」というのは人間主体の概念であるということです。機能やデザインに重きをおきすぎて設計された都市や空間では人々は最大の安らぎを得ることはできないことが、ブラジリアやお話に出てきた兵庫の公園の例から強く感じられました。』

『私はなぜSSSで街について学ばなければならないのかわかりませんでした。しかし先生のお話を聞いて、将来は私たちが中心となって社会を動かしていかなければならないと知り、将来後悔しないように今学んでいるのだと思いました。最も心に残ったことは、日本は外国と比べて緑や公共施設を利用しきれていなかったことです。』

『僕は今まで一度も自分の住んでいる街が住みやすいと思っていませんでした。そのことにいつも不満でいっぱいでしたが、今回の武田先生の授業を聞いて、自分から率先して意見を出し、誰かに街を変えてもらうのではなく、自分が変えていくことが大切だと学びました。』

『先生の話の「コロナを経験している私たちには『他者を思いやること』『同じ空間を共に過ごすこと』が必要だ」という話がとても印象的でした。』

『自らを都市の一部だと考え、誇りを持つ’’シビックプライド’’を重要視し、人と都市のコミュニケーションを重視することの大切さ、それがいかに街の魅力につながるのかを学びました。“It’s our space”を意識して町(都市)の豊かさにシビックプライドを持って貢献していきたいと強く思いました。』

『普段私たちは何かがどんな良い効果を発揮するのかを考えるときに存在効果の面で考えることは多いですが、空間効果の面から考えることは少ないので僕にとっては新鮮な考え方でした。』

 


【ワークシート】

○住んでいる街の良いところについて

 

○人々の表情が豊かで、活気あふれる街、みんなが安らげる街にするために

 今の自分ができること

10年後の自分ができること

 30年後の自分ができること

50年後の自分ができること

○新しく便利な街として、古くからある街を開発することについて

○街づくりにおいてこれからどんなことを勉強したり、身に付けることが必要か

○街づくりについて日本が海外から学べることはどんなことか


経験豊かな、また様々な価値観を共有する国際生らしいコメントが多くみられました。生徒たちはコメントから改めて講演を思い返し、考えをまとめていました。生徒たちのコメントからも、武田先生のお話が、SSSでの学びの本質を理解し、今後につながる大きなヒントやモチベーションを得る機会になったことがわかります。